「ずっと、答えのない問いを突きつけられているような気がした」
これが、クリア後の感想です。
『ニーアレプリカント』を通して、私はたくさんの問いが生まれました。
今でも、この問いは解決しません。
そこでこの記事では、私の中で生まれた問いたちを”断片”として、
『ニーアレプリカント』のレビューをしていこうと思います。
正直このレビューは「どんな内容なのかサクッと知りたい」という方にとっては、
全く参考にならないと思います。
ですが、「自分はどんな体験ができるんだろう?」
という方にとっては、何か一つでも感じ取ってもらえる、そんな内容にしました。
私はこの作品を通じて、あなたには問いを持つ、「きっかけ」になってほしいと本気で思っています。
ぜひ最後までご覧ください。
【ニーアレプリカントレビュー】問いが生まれた”断片”たち
人とは違うって、そんなに悪いこと?
仲間の「エミール」って、普通の人とはちょっと違うんです。
一言でいうと、超能力者。
その彼をそっと抱きしめてあげる瞬間、それが私にとって、真っ先に思い浮かぶシーンになりました。
なぜかって、ちょっと違うだけでなく、本当に姿かたちまで”異形の姿”に変わってしまう瞬間があるんです。
その姿がエミールだってわかるのは、人を思う「やさしさ」だけ——
彼だって、望んでそんな能力が欲しかったわけじゃない。
人間のエゴによって、そんな能力を身につけてしまった。
なのに、本当の意味で忌み嫌われる姿に変わってしまうなんて…
そんな彼を主人公が抱きしめる瞬間、
「あなたはエミールだよ、何ら変わりはない」
ふたりの間にはそんな言葉が聞こえた気がしました。
その時私は、目頭が熱くなったんです。
感受性が高くて繊細な自分と、重ねていたのかもしれません。
「私も、好きでこんな風に生まれたわけじゃないのに」って。
でも、その受け入れてくれる姿って、口では言はないけど、私もずっと感じてることだと思うんです。
ちょっと人とは違う、けどそれだけで否定する必要ってあるの?
そんな誰かに対して、あなたならどう思いますか?
正しさとはなにか?
私の想いが掘り起こされるできごと。
それが、主人公の敵として、立ちはだかる「狼」たち。
彼らは、とても残虐非道なことをするんです。
友の一番大切な人を手にかけました。
それはまさに一瞬の出来事。
その時私は、完全にあちらが「悪」だと思っていました。
そして結果的に、私たちの復讐は成功するんです。
でも「狼」たちの背景を知った時、私は”善悪”が分からなくなりました。
狼の生きる糧である森を奪い、
自己防衛のために何の罪もない彼らを無作為に始末する私たち。
「それって、もはや私たちの方が”悪”ではないか?」
でも彼らは、すべて完全悪でその行動をとっているわけではありません。
生きるため、みんなのために「善」が源になっている。
だから余計に、分からなくなる。
本当の善や正しさとは何なのか?
そんな単純に分けられるものなのか?
私たちが“当たり前だと思っているもの”
「そんなの常識でしょ」と言われ続けること
本当の意味の正しさとは、いったいどこにあるんでしょうか?
この選択、あなたなら何が正しいと思いますか?
私たちの存在って何のため?
難破船で迷子になった少女。
その彼女のたった”ひとこと”が、ずっと私の心に残り続けました。
少女は、見た目で言えば小学生ぐらいの普通の子です。
でもその正体は敵でした。
難破船を覆いつくすぐらいの、「クジラ」くらい大きな脅威。
主人公たちはそれを打ち倒し、少女だったものは少しずつ消えていきます。
そして消える間際に、このような言葉を言い残すんです。
「世界はこんなにも綺麗なのに」——
彼女の言動をすべて覚えているわけではない。
でもなぜかこのひとことだけ、ずっと残っているんです。
そして私はこれを「矛盾」と受け取りました。
私はこんなにも醜くて、誰からもいなくなればいいのにって思われてる
それでも、世界は知らんぷりで回り続けてしまうんだ
あなたにもこんな経験ありませんか?
「これって自分がいなくてもよくない?」
「やる意味あるの?」
私はたまに、こんな風に見えるときがあるんです。
—平日の朝、足早に向かう人たちが、まるでロボットのようだ
みんな同じ人であるはずなのに、なぜ私はここにいるんだろうという違和感を感じていました。
あなたはなんで、その場所にいるの?
【まとめ】この作品で、何かを感じるきっかけになってほしい
以上、『ニーアレプリカント』のレビューでした。
ここで書き記したことは、あくまで私が感じたことです。
感じ方は人それぞれ、ですが私はあなたに、
- 何気なく生活しているこの瞬間を、ふと立ち止まって考える
そんな「きっかけの作品」になってほしいと思っています。
私にとっては、根っこの内側まで考えさせられる、思い出の作品になりました。
同じじゃなくてもいい、でもあなたにとっての何かが残れば嬉しいです。
あなたは何を感じ、そしてこれからどうしていきたいですか?
この作品から何か、見つけられるかもしれません。
【自分の目で確かめてみる】

他にも「受け止める覚悟」がある方はこちらもぜひ。
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