不便さに少しイラっとする。でも、その奥に“フロムゲーならではの魅力”を感じた
これは、筆者が『デモンズソウル』をプレイして一番感じたこと。
そして、この記事であなたに一番伝えたいことでもあります。
ではなぜそのように感じたのか?
この記事では、その理由とともに『デモンズソウル』の魅力をレビューします。
その具体的な内容はこちらです。
何でイラっとした?
- ショートカットがなくて大変
- 所持数制限で、荷物整理がだるい
フロムゲーならではの魅力って?
- ふとした時に見て感心するエリアのつながり
- 考察の余地がある敵の魅力
私はこの記事を通して、
すごくおすすめとは言い切れない
けれど、気になるなら一度は体験してみて欲しいと思っています。
これから『デモンズソウル』を楽しみたい方に向けて、本音で書いています。
ぜひ最後までご覧ください。
【レビュー】ずっと不便だった、今やると辛い“元祖ソウル”の洗礼
また最初から!?ショトカほぼなしの絶望感
本作は、ショートカットがほとんどなく、死んだら各ステージの最初からやり直し。
なので、特にボスに負けたときは「またここからかよ…」と一番萎えたポイントでした。
初見だと何度もやられることになるので、当然ボス部屋と道中を行ったり来たりすることに。
その道中がほんとに長い。
無視できないザコ敵もいて、イジの悪さを感じました。
すべてのエリアがそうではないですが、結果、戦っていて楽しいボスも、”負けたら移動がだるい”そんな感情の方が先に来てしまうんです。
後続のシリーズでは、チェックポイントやショトカが意図的に作られていて、どこか「安心感」があったんですよね。
「そろそろ休憩したいな」と思った、絶妙なタイミングで設置されており、まさに神でした。
その素晴らしさを先に経験した身からすると、どうしても比較してしまいます。
その点、本作は気を抜けるポイントが少ないように感じる。
”より油断の許さない”攻略がひしひしと伝わってきて、初代ならではの洗礼をダイレクトに受けました。
“ただのストレス”だった所持重量。正直いらない要素
本作は「所持重量」があるおかげで、所持オーバーになると、手放すかNPCに預ける必要がある。
これによって、常に持ち物整理を意識する必要があり、私にとってはストレス以外の何物でもありませんでした。
そもそも「持ち物に重さがある」なんて、シリーズではこの作品だけなんですよね。
特にこんな場面でストレスを感じました。
- 攻略で持っていける装備が限られる
→特大剣や鎧などは重すぎて、いろんな武器をすぐ試せない - 装備中のものは預けられない
→一度外してからじゃないと預けられず、手間が多い
一応、所持重量が増える装備があるのですが、「それならそもそも実装しなくてよいのは?」というのが正直な感想。
リアリティを追求しての実装だったかもしれませんが、そこはゲーム的になしの方が断然いい。
実際、それ以降の「ダークソウル」や「ブラッドボーン」では一度も実装されず、不満は全くなかったので。
この所持重量は何のメリットも感じない、一つの”縛り”みたいなものでした。
本作だけの要素でよかったと断言したいです。
不便な中に光った、”2つ”のソウルシリーズらしさ
システム的に不便な点があった。
それでも、「ソウルシリーズ好き」なら絶対ハマる要素があったんです。
ふと見下ろして感動…圧巻のエリア構造
初見プレイ時はずっと不便が先行して、「面白いけど、ほんとにソウルシリーズ?」という疑問がありました。
ですが、ステージごとのつながりを感じたのをきっかけに、私は「ちょっと面白いかも?」という感情が芽生えてきたんです。
たとえば、最初に攻略する王城。
初見時は攻略に夢中で、景色を楽しむ余裕がありませんでしたが、慣れてくると周りを見れるようになってくるんですよ。
そこでふと、景色を眺められるスポットから見下ろしてみたんです。
すると、そこには城全体の、
「あそこってボスと戦うフィールドじゃん!」
「うわ~あそこから通ってきたんだよなぁ~」
瞬時に思い出される、私が攻略してきた”足跡”
私は、この景色を見ながら「あそこのエリアいやらしかったな」「ボスはめっちゃ苦戦したな」とか振りかえれるのがソウルシリーズの醍醐味だと思っています。
すると、ただ攻略するだけのステージじゃなくて、本当に実在しているかのような”生きた地”になるんですよ。
だからエリアにも深みが出てくるんです。
これを芯から感じられるのって、私はこのフロムの「ソウルシリーズ」だけだと思っていますし、
『デモンズソウル』でもその息吹が感じられてプレイしてよかったと思いました。
ただの攻略エリアじゃない、一つ一つの体験が振りかえれる思い出になる——
これに共感できる方は、きっと響くものがあるはずです。
敵の背景に心揺さぶられる—考察が止まらない魅力
私は、『デモンズソウル』で考察の面白さ感じた瞬間、完全に虜になりました。
「この作品の世界観をもっと知りたい!」と、思えたんです。
ソウルシリーズってただ攻略を進めてるだけだと「で?結局どんなストーリーなの?」ってなることが多いんですよ。
なので、深く知りたかったら、
- NPCの他愛のない会話
- 装備やアイテムの説明欄
こんなとこから、「どんな人物なのか?はたまた敵なのか?」自分なりに解釈していくしかないんです。
この”あなたの想像にお任せスタイル”が、本作でも感じられて、プレイ時間が長くなるほどハマっていく感覚がありました。
中でも考察の面白さを一番感じたのが、とあるボスの背景です。
ボスまでの道のりは険しく、地下深くにあり、そして神から見放された人々が住んでいる場所。
そこには、この世のものとは思えない、”異形の姿をした何者か”が生息しているんです。
その奥地にひっそりとたたずむ、ボスの姿は、純白の衣装をまとった”聖女”
これだけだと何でそんな場所に、聖女が?と思いますよね?
そこがまさに、一番惹かれたポイント!
その場所に矛盾するかのような敵の存在が、”フロム脳”を刺激して考察がはかどるんです。
「なぜ聖女が、この場所に?」
そんな疑問だけで、ご飯何杯でもいけるわけですよ。
さらにボスの会話を聞くと、どうやら相手に「敵意」は全くない様子。
するとこう思えてくるんです。
-本当にこの敵は倒すべき相手なのか?
-自分たちの方が悪者ではないのか?
多くは語らない、この”考察ありきのスタイル”は、確かにデモンズソウルから存在していました。
考察好きな方は、絶対思考がとまらなくなります。
その”沼”にハマったら最後、間違いなく虜になりますよ。
【まとめ】粗削り感はある、でも“原点”として一度は触れてほしい
以上、『デモンズソウル』のレビューでした。
私は正直、途中までは不満ばかりでした。
……いや、何なら1周目クリアするまで、ずっとそうだったんです。
でも、エリアのつながりや敵の背景の考察など、単純なプレイでは見つけることができない要素に気づいたことで、徐々にその魅力に取りつかれていました。
このやればやるほど、スルメみたいな味わいが出てくるゲーム——
まさに、”ソウルスピリット”を感じます。
この感覚はソウルシリーズだからこそ味わえる感覚だし、唯一無二だと思います。
ソウルシリーズファンの方も、これから初めて触れるという方も
少しでも惹かれるものがあるなら、一度だけでも触れてみて欲しい。
ソウルシリーズがなぜここまで愛されてきたか――その真髄に、きっとあなたも気づけるはずだから
【この目で作品に触れてみる】
他にも「ソウルシリーズの魅力」を味わいたい方はこちらもぜひ。
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