最初にお伝えしておきます。
この記事は『ニーアオートマタ』のレビューです。
ですが、一般的なレビューではありません。
私がプレイする中で湧いた、感情や想い、などを生々しく語っている部分があります。
それが一部の方にとって、思い出したくない感情を起こす、きっかけになるかもしれません。
なので、途中で引っかかるものがあれば、ひかえていただいても大丈夫です。
でも私はこのレビューを通して、
背けたくなるような残酷なこともある、
けど、それだけじゃないということをお伝えしたく、書き記しました。
このゲームをプレイして感じたことを一言でいうと、
『つらい』、けど、救われたような気がした
です。
『ニーアオートマタ』の世界に触れてみたいという方に、少しでも何か届けばうれしいです。
あなたは何を感じ、そして、どうしていきたいですか?
【ニーアオートマタレビュー】えぐられるような「つらさ」、その断片
そんなの、早く忘れてしまいたい
敵として登場する「機械生命体」は、ただの機械じゃないんです。
だからこそ、私は情が湧き、そして胸が苦しくなる思いをしました。
たとえば、「機械生命体」たちは、こんな風に言葉を話します。
「こどもってどこから来るの?」
「お母さんは、いつもお兄ちゃんばかりかまうんだ!」
私には、そこで一生懸命に生きている何かに見えました。
機械ってなんだろう?
何かに興味を持って、一人で抱え込んで、
こんなの”人間”じゃないですか?
そして、その”感情”を教えたのが、機械生命体の「パスカル」。
見たまんまの機械。
だけど、こどもたちに読み聞かせをしてあげる、それはもう近所の優しいおじさんなんです。
でもある日、「機械生命体」たちは、自分で自分を”ダメ”にしてしまいます。
感情がないはずの機械たちが、「恐怖」を覚えてしまったから——
その現実を知った「パスカル」のあの、声色、表情。
思い出すだけで、つらくなります。
彼らたちにしてあげた善意が、全部ひっくり返った瞬間なのだから。
「こんなことなら、最初からしなければよかった」
忘れてしまいたい、
なくなってほしい、
こんな気持ちになるなら。
どうして、失ってからでしか気づけないの?
メインキャラの、「2B」や「9S」を助けてくれる、オペレーター。
私はこの、オペレーターのたった”一言”に、とても喪失感を覚えました。
オペレーターさんって、いつも無線でアドバイスをくれるんです。
たとえばこんな風に、
「心配してるわけではなく、足手まといだからです」
「そこは、ぎゅっとハッキングしてください」
目的達成のためなら、いつも冷静。
でもたまに、お茶目な指示が飛んできたり。
そのふとした言葉に、少し距離が縮まった気がして、親近感が湧くんです。
でも、敵として立ちはだかる瞬間がありました。
何でここにいるの?戦闘タイプでないのに、どうして?
本当の理由は分からない、でも剣を交えるさなか、彼女はこんな言葉を話します。
「家族が欲しかった…」
そのたった一言が、いつまでもへばりついて、離れません。
ちょっと棘がある話し方も、
ビジネス文章のような体調を心配してくれる定期連絡も、
あの一言の裏返しだと気づいた瞬間、体から力が抜けるほどの、喪失感におそわれました。
今までの言動って、彼女なりの優しさだったんです。
でもそれは、彼女からすでに光がなくなってから気づいたこと。
「人じゃない、けど、幸せになってほしかった」
その想いだけがずっと、回り続けます。
もっと早くに気づいてよ、
何でなくなってからでしか気づけないの?
なんで、あの選択ができなかったんだ
私がもっともえぐられたところ。
それが、「9S」と「A2」の関係です。
これほど、2人の未来を変えたいと思ったのは初めてでした。
ある時「A2」は、「9S」の、大切な人を手にかけてしまうんです。
そしてその瞬間”だけ”、目撃者となってしまう「9S」。
崩れていくその大切な人は、とても穏やかな目をしていました。
その日以来、彼の憎悪は声色だけで、徐々に高ぶっているのが分かるんです。
そしてもうだれにも止められない、取り返しのつかない結末へと辿る。
私は、その一連を体験して、ずっとこう思い続けてるんです。
あの時、A2がちゃんと説明していれば、
9Sの気持ちにもう少し余白があれば、
「2人が救われる道があったのではないかと」——
「9S」が嫌いなわけじゃないのに、こっちまで憎くなってくる。
これしかなかったからこそ余計に、「A2」の言葉足らずさにモヤモヤする。
そのやるせなさと、あとからいくらでも言い訳したくなる感情が他人事に思えなくて、
自分の今までしてきた、決断と照らし合わせてしまうんです。
- 他の進路選んでたら可能性が広がったのかな
- 今思ったら何であの転職先にしたんだろう?
もっと冷静になっていれば、耳を傾けていれば、
救われたことがあったのに、、、だからこそ
【まとめ】感じたつらさは消えない、でも小さな光はあった
以上、『ニーアオートマタ』のレビューでした。
この作品で感じたつらさは消えない。
だけど、最後に救われた気がした、そんな一幕があったんです。
それは、人のぬくもり感じるような出来事。
いや、人によって救いとは、解釈が違うかもしれない。
けど、
「こう思ってたのは自分だけじゃないんだ」
と思ったら、自然に涙があふれてきたんです。
消したい過去だって、
気づきたかったことだって、
またやり直したいことだって、
どんなに矛盾があっても、差し伸べてくれる誰かがいるから前を向ける。
これは、人であるからこそできるんじゃないでしょうか?
つらい時もあるけど、生きていれば救われることもある。
この作品を通じて、そう感じてもらえたらうれしいです。
あなたは1人じゃない。
私も、みんなも、同じ想いなのだから。
この問いの答えを、あなた自身の目で確かめてみてください。
【この目で作品に触れてみる】
他にも「何か思う気持ち」がある方はこちらもぜひ。
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